気ままに分析

石橋を叩いて渡っていきます。

コントレイルはダービーを勝つのだろうか

 まず、コントレイルの戦績を振り返りたい。

 

2019年9月15日、阪神競馬場、芝右回り外コースの1800m、2歳新馬戦。

 

 8枠9番から、抜群の好スタートを決めつつも、すんなりと控える。

向こう正面の長い直線を4、5番手で進み、

最初のコーナーに差し掛かる手前から軽めに動かされる。

 

 位置を取った後、そのまま、また折り合いが付き4コーナーへ。

直線に向かう前から加速を始めて、センスの高さを見せる。

ディープ産駒にありがちなコーナーで加速できないという素振りは見せない。

 

 1000m通過62.8秒。スローペース。

 

 スローペースということもあり、直線では全馬が余力を残した状態でスパート開始。

そのため、中々振り切ることが難しいが、坂に差し掛かる手前ではすでに勝敗決まる。

他馬に上がり0.6秒の差をつけつつ、トップスピードの高さを示しながら快勝。

 

 上がり最速33.5秒。(上がり2位に、0.6秒差)

 

 しかし、特筆すべきは、TSではなく、気性的な危うさを若干感じさせながらも、

新馬戦特有の超スローペースで、しっかりと折り合ってレースを運べたことだろう。

この気性でありながら、騎手が軽く抑えるだけで折り合えたのは才能を感じさせる。

 

ただ、この手の馬は、ハイペースになると底の浅さを露呈しやすいという不安が残る。

 

 

2019年11月16日、東京競馬場、芝左回り1800m、第24回 東京スポーツ杯2歳S(G3)。

 

 6枠6番から、まずまずの好スタート。

ポケットを抜けて、向こう正面に入る段階で、ムーアが宥めながら少し控える。

4番手から1馬身ほど離れて追走。直線に向くまでリラックス。

 

 直線に向く手前から馬自身がやる気充分。ほどなくムーアが強めに動かし始め、

抜群の手応えで坂を登りきり、そのまま一切脚色が衰えることなく5馬身差の圧勝。

 

 1000m通過、58.8秒。ハイペース。

 

 新馬戦で危惧していたハイペース耐性への不安は解消された。

マイネルデステリョが引っ張ったハイペースを、

まるでスローペースかのように鮮やかに差し切り快勝。

 

 上がり最速33.1秒。(上がり2位に、0.5秒差)

 

冷えたカチカチのバターに、温めたバターナイフが入っていくような印象。

ただ、直線でゼンノジャスタに並んだときに、興味を持ち顔を寄せたのが気になる。

 

つまり、精神的に幼いのが気になる。

 

 

2019年12月28日、中山競馬場、芝右回り2000m、第36回 ホープフルS(G1)。

 

 2枠2番から少しバランスを崩しながらも、ほどほどの好スタート。

スタート直後から、3枠3番ブルーミングスカイに興味津々。

顔を寄せつつ若干掛かり気味になる。ここでも精神的な幼さが見える。

 

道中は全く何も気になるところがないほど気楽な追走。

 

 1000m通過、60.9秒。スローペース。

 

 3~4コーナー中間から進出開始。

ただ、騎手が促したというより、自ら緩んだペースで差を詰めていった印象。

直線に入ったとき、外に意識が向く。これは歓声を気にしたのだろう。やはり幼い

 

直線では荒れた内も坂も苦にせず、一定のスピードを維持して快勝。

対照的にピッチを限界まで上げたヴェルトライゼンデ、だが差を全く詰められなかった。

 

 上がり最速(タイ)35.8秒。

 

 

2020年4月19日、中山競馬場、芝右回り2000m、第80回 皐月賞(G1)。

 

 稍重。1枠1番から好スタート。

しかし、内の荒れた馬場に脚を取られ、位置取り争いに負ける。

なし崩し的に12番手の後方待機。1コーナー2コーナーでは難なく追走。

と言いたいところだが、1コーナー手前で、またもや気性の幼さを見せる。

16番ガロアクリークが横に並ぶと、顔を寄せて「こいつ誰だよ」と言わんばかり。

 

向こう正面では縦長の展開。その時点では、中団馬群の最後方。

 

 1000m通過、59.8秒。ミドルペース。

 

 3、4コーナー中間、残り600mから進出開始。

カメラワークのせいもあり、突然、大外から顔を出す。

そこから勢いを保ったままコーナーで加速しつつ直線へ。

しかし、またここでも意識が外に向く。顔は観客席(無観客だが)の方向へ。

とにかく、精神的に幼い。この馬の欠点らしい欠点はこれだと思う。

 

直線に入りほどなくして、サトノフラッグに馬体を合わせるタイミングで手前を替える。

そこからはブレずに、まっすぐと末脚を使っての快勝。

 

 上がり最速、34.9秒。(上がり2位に、0.5秒差)

 

2着サリオスは内目の馬場の悪いところを通ったことは覚えておきたい。

が、個人的な印象としては、着順を変えるほどの影響があったとは思えない。

 

さて、ダービーはどうなるのか。

 

 これまでに解消された不安をまとめてみる。

スローペースで問われるトップスピードの高さ、ハイペース耐性。コーナーリング。

道中掛かった場合のコントロール性能。高速馬場、荒れた馬場、重い馬場。

 

思い浮かぶ不安の多くは、解消されたと言っていいのではないか。

 

それらを踏まえた上でも残るのは、距離適性と、気性が幼いぐらいだろう。